何度かこのブログではAPTD** について触れてきました。
APTDというのは、ATD*が認定する資格で、人材開発のプロフェッショナルとして認められる一つの資格です。
ATDは人材開発のプロフェッショナルとして必要な要素をコンピテンシーモデルとして2013年に発表しています。それは10の専門領域と6つの基礎的なコンピテンシーで定義されたモデルでした。APTDの学習領域としてはその10の領域のうち、5つを学習しなければならず、特に3つの領域がテストでは重点的に出題されていました。
参考までにその3つの領域をご紹介します。
・インストラクショナルデザイン
・トレーニングデリバリー
・ラーニングテクノロジー
今の自分の仕事に直結する3つの領域です。勉強し、資格にチャレンジすることによって、今の仕事につながったという実感もあります。
またATDではCPLP***という資格認定があり、これはAPTDより難易度が高く、10の領域をまんべんなく、特に5つの領域の知識が試される上に、経験値もしっかりと証明しなければならない資格です。いずれはCPLPを目指して勉強していこうと漠然と考えていました。
さて、表題のケイパビリティモデル、ですが、ATDのメールやホームページで、「新しいモデルを2020年に発表しますよ(2013年発表のコンピテンシーモデルはもう変更になりますよ)」という告知がありました。
そして詳細がATDのホームページ上で明らかになりました。
このモデル自体は、「実践者が自分自身のために、また周囲のために、組織のために知る必要のあること、やるべきこと」を定義したものだと書かれていました。
3つのカギとなる領域から出来ていて、その領域を「Domains of Practice」と表現しています。またこの3つのそれぞれを構成する能力と知識が項目として整理されています。
・Developing Professional Capability(プロフェッショナルとしての能力を成長させる)
8 capabilities and 71 knowledge & skill statements
・Impacting Organizational Capability(組織の力に影響を与える)
8 capabilities and 69 knowledge & skill statements
・Building Personal Capabiity(個人的な能力を構築する)
7 capabilities and 49 knowledge & skill statements
詳しくは このリンク からご覧いただくことができます(英語)
詳細は上記のATDのリンクからご確認いただけるので、個人的な感触をここには書いておきます。
一つ目のドメインにはインストラクショナルデザインやコーチング、キャリアデベロップメントなどが含まれており、今までの10の領域からの流れを感じます。
ただ、10の領域のうち、パフォーマンスインプルーブメントやチェンジマネジメント、タレントマネジメントなどは二つ目のドメインに含まれるようになり、2013年のコンピテンシーモデルに慣れてしまっているからか、まだこのケイパビリティモデルがすんなり入ってこないという状態に私自身が直面しています。とは言え、「組織への影響」というドメインを置いたことにより、わかりやすくなるような気もしています。
また、三つ目のドメインには、エモーショナルインテリジェンス(EQ)が含まれており、「あちこちでEQが取り上げられている時代に人材開発のプロフェッショナルが関係ないわけないなあ」と思ったり、「Lifelong Learning」というケイパビリティの定義に「納得いくわあ」と感じたり、パソコンのモニターを見ながら、ぶつぶつつぶやいています。
また、次にCPLPの資格にチャレンジする時にはこの新しいケイパビリティモデルをベースにした試験になっているはずです。重点を置くケイパビリティが見えてくれば、強化する知識やスキルが明確になるのではないかと思いますし、人材開発の領域において、自分自身の目標設定に悩んでいる方は、このモデルを利用して自己分析することがヒントになるような気がします。このケイパビリティモデルはATDの会員であれば、自分の現状をアセスメントすることが出来るようです。ヒントに直結しそうです。また、取り組んだ後にご報告します。
* ATD Association for Talent Development
** APTD The Associate Professional in Talent Development
*** CPLP Certified Professional in Learning and Performance
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